銀狐の文具稲荷

-文房具を覆う表現を剥がし愛情を込めて丁寧に貼り付けた簡素な艸菴- (Since 2007-01-04)

余録118 萬年筆奇譚 第3章 パーティーの女篇3節

白山は喫茶店のトイレでネクタイを締め、支度を調えた。

支払いカウンターで、アイスコーヒー代を支払う。
ウエイターの目はエメラルドのネクタイピンに釘付けになっていた。


向かいのホテルまで道を横断する。


正面玄関に入ると、谷口がほっとした顔で駆け寄ってくる。

「山城、来てくれたんだね」

「参加すると言っただろう」

「それはわかっていても本当に来るかが不安で」
「お前!凄いネクタイピンだな。本物か?」

「あぁ、でも、そんなに高価じゃないよ」

「お前が時々わからなくなるよ」


受付では、氏名を記入して
透明の名札ケースを受け取る。
そこに名刺を差し込んで胸ポケットにクリップで止めるのだ。

受付カウンターには、カスタムコーポレーション営業部の女性達が座っていた。


「お名前をお願いします」

差し出された記帳用紙に、モンブランNo.149
90周年記念モデルを内ポケットから取り出し記入。

透明の名札ケースを受け取って、谷口に向かって、

「水男、どうして名刺なんだ?大きく名前を書けば良いじゃないか」

「ここがミソなんだよ。名刺の名前なんて小さい字だろう」
「相手の名前を知りたければ近寄らないとダメなんだ」

「さすが企画開発だ」


ホテルの会場を貸し切った立食風のパーティーになっており、
中央にテーブルが10ほど並んでいる。
テーブルの上には豪華な食事やオードブル。

部屋の端には大きなソファーがいくつも並べられていた。
所々に、うどんやローストビーフのコーナーも。

当初未だ馴れていないのでめいめいソファーに
男性、女性別れて座って話し込んでいた。


「全部で50人くらいか」

山城はつぶやいた。



会場のコーナーから、本日の幹事2名が挨拶をする。
乾杯の音頭は、谷口の紹介で、秘書課の鵜飼玲子が勤めた。

チョコレート色のパンツ姿だった。
いつもスカート姿なので新鮮な感じがする。


ウエイターが各テーブルにビール等を運んでくる。
最初はぎこちなかった参加者も酒も入って、次第に打ち解けていく。


皿に食べ物を取り、ビールを飲んでいると、
総務課の名取と大下が息を弾ませてやってきた。


「はじめまして、お名前をお教えください」

大下がしゃべり終わらないうちに、
名取は「私、名取と言いますよろしくね」

「大下です、はじめまして」


こいつら・・・・・気づいていない。


「山城晶夫です。よろしくお願いします」

ゆっくり一礼をする。


「今日は来る予定じゃなかったんですけど、欠員が出て」
「玲子に無理矢理連れてこられました。でも、よかったです」

大下は白いドレスをゆっくり揺らしながら語る。

「パーティーは初めてですか?今まで見かけませんでしたから」

名取も負けじと質問してくる。

「はい、水男・・・いや谷口幹事に誘われて」



その二人の後ろには、プロフィット企画開発軍団が
話しかけたそうにモジモジしていた。

谷口が気を利かせて、

「後ろにもイケメン達がおりますので」

山城から二人を引き離した。


「やっぱり、お前が一番モテている」
「女性職員達から山城の名前と部署の質問攻めだ」

グラスをあおり、少年のような顔で歯を見せ笑うと、
谷口ですら口をあんぐりと開けたままとなった。



薄暗いバーカウンターで、カスタム社長、並木の携帯電話が鳴る。
ウイスキーを口に運ぶのを止め、電話に出ると、
プロフィット社長、坂田匠だった。

「並木です」

「久しぶりだな坂田だ」

「今夜はパーティーでうちの女性職員がお世話になっています」

「うむ、紛れ込んだネズミが本格的に動き出した」

「そうですね、うちも猫を放します」

「あぁ、私も手を打ったところだ」

「ところで、新商品の開発具合はいかがですか?」


並木の横に座っている若い女はダンヒルをくわえ
デュポンのライターで火を付ける。
キーンという乾いた金属音を発し火は消された。

並木はちらりと女に視線を向ける。
女は火を付けたタバコを並木の口に持って行く。


タバコを口にくわえると、
右手に携帯を持ち直し、左手人差し指で
プロフィット社秘書 長沢の背中をすーっと撫でる。
長沢は背を反らし曇った声を出した。










いつもありがとうございます。
あなたのクリックが、更新のはげみになります。





  1. 2017/03/27(月) 00:00:00|
  2. 余録
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

モンブラン マイスターシュテュック 149 14K :第8章(6周年)

モンブランインク、トゥフィー・ブラウンは、無くなってしまい、
Kobe INK物語 特別限定色「ターナーカフェ」を
この万年筆に使用している。


ターナーカフェ


同系のブラウンで、インクを替えた!という感じはない。

やや粘りのある、柔らかいペン先に
似合うカラーで、心穏やかに書ける。

セーラーのジェントルインクとの相性も良いのか、
フローも良く、ヌラヌラ気持ちよく紙の上を滑っていく。
右手人差し指が喜ぶ。


モンブラン マイスターシュテュック 149 14K 6周年 (1)



同じNo.49でも、それぞれ性格が異なるようだ。
もちろん、個体差もある。
だから万年筆は深くておもしろい。


モンブラン マイスターシュテュック 149 14K 6周年 (2) モンブラン マイスターシュテュック 149 14K 6周年 (3)



ペン先のロジウムのハゲも
これ以上広がる気配は見せていない。


モンブラン マイスターシュテュック 149 14K 6周年 (4) モンブラン マイスターシュテュック 149 14K 6周年 (5)


インクを吸引する際、
「クニュ」っと腰砕けな感触はあるが、
めいっぱいピストンを引き上げず、
柔らかく捻って引き上げている。


モンブラン マイスターシュテュック 149 14K 6周年 (6) モンブラン マイスターシュテュック 149 14K 6周年 (7)


このまま丁寧に扱えば、
ずっと使用できるような気がしている。

古い(アンティークではない)ペンだ。
修理で新品の部品に置き換わることは出来るだけ避けたい。

ペン芯にも味が出てきている。

オリジナルが一番!






モンブラン 万年筆 マイスターシュテュック 149 ブラック【高級万年筆】【メーカー保証付・送料無料・名入れサービス・ラッピング無料】「ブランド」【ペンハウス楽天市場店】 (99000)

価格:88,957円
(2016/3/24 10:35時点)
感想(0件)







モンブラン 万年筆 マイスターシュテュック ル・グラン 146 ブラック【高級万年筆】【メーカー保証付・送料無料・名入れサービス・ラッピング無料】「ブランド」【ペンハウス楽天市場店】 (74000)

価格:66,493円
(2016/3/24 10:36時点)
感想(1件)







中古モンブラン




いつもありがとうございます。
あなたのクリックが、更新のはげみになります。





  1. 2017/03/20(月) 00:00:00|
  2. MONTBLANC
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ル・ボナー 3本挿しペンケース :第5章 3周年

このペンケースを所有している、
オーナーさんが、ブラシを掛けているという。

ル・ボナーさんのブログだったか何かで
拝見させて頂いて、
革用のブラシを購入。

たまに(毎日ではない)シコシコ。


ル・ボナー 3本挿し 3周年 (1) ル・ボナー 3本挿し 3周年 (2) ル・ボナー 3本挿し 3周年 (3)



剥がれたコバに関しては、
ボンドで貼り合わせた後、
コバコート(チョコ)を薄く塗っておいた。

これでめくれ上がることもないだろう。


ル・ボナー 3本挿し 3周年 (4) ル・ボナー 3本挿し 3周年 (7)



「北欧に匠」には、モンブランNo.149を4本。
EFの18Kバイカラー以外を装填。

この、ル・ボナーには、
モンブランNo.146とボールペンのル・グランNo.161。
さらに、デルタドルチェを挿している。
太軸のデルタはセンターに。
モンブランは挟み込むように。

このスタイルは、ずっと変わらない。


No.149を3本挿すには窮屈なのだ。
ペンケースがかわいそうになる。


ル・ボナー 3本挿し 3周年 (5) ル・ボナー 3本挿し 3周年 (6)




職場の会議等では、
「北欧の匠」が出撃して、

勉強会等、外出に持ち歩くのは、
このル・ボナーなのだ。

本音を言うと、どっちも持ち歩いていたいのだが、
嵩張るし、周囲からしてみれば「ドン引き」に
なること間違いない。

たったの3年だが、良い感じに艶が出てきた。
(と、感じている)



半端ないオーラを発するペンケースは、
周囲の目を引くに違いない。

そして、ベロをめくれば、最高の万年筆。


幸せな趣味を持ったと自負している。




いつもありがとうございます。
あなたのクリックが、更新のはげみになります。





  1. 2017/03/13(月) 00:00:00|
  2. ペンケース
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

モレスキン スマートライティングセット

モレスキン スマートライティングセット main_pc



アナログとデジタルをシームレスに繋ぐ「MOLESKINE+」に、
モレスキンオリジナルのペン+、ペーパータブレットがセットになった
スマートライティングセットが登場。
文章やイラストが専用のアプリでデータ化され、
アプリ上で創造性豊かな編集が可能となります。



スマートライティングセット概要
SMART WRITTING SET INSERT




モレスキン スマートライティングセット img1


ペーパータブレット


ドット方眼

文章の筆記はもちろん、デッサンや図形にも適した
マルチに使えるレイアウト。

ハードカバー

頑丈なだけでなく、硬いカバーが下敷きとなり
手に持って書き込むことができます。

ラージサイズ

大きすぎず小さすぎず、充分に書き込める
一番人気のサイズです。

上質な中紙

100g/㎡の、厚く上質な紙を採用しており、
インクの裏抜け等を防ぎます。



ペーパータブレットの機能


NeoLab Convergenceが特許を持つテクノロジー。
ページの表面に施された微細なグリッドパターンをペン+のカメラが認識し、
書いた文字やイラスト、その位置を
正確にお使いのデバイスと同期させることができます。


モレスキン スマートライティングセット img1a


ペン+でこのアイコンをタッチすることで、
アプリ内の「共有」機能を呼び出すことができます。
書いたものをメール等でさっと送りましょう。




モレスキン スマートライティングセット img2


ペン+


使いやすいスリムボディのスマートペン。
従来のスマートペンと比較しても非常に軽く、持ちやすい三角軸のフォルムが特徴的です。


ペン+の機能

ペン+はBluetooth機能を通じてデバイスと同期することができる
最先端のアイテムです。

ペン+に接続するUSB端子はペンの最後部にあります。
ご使用の前に30分程度充電しましょう。


ペン+の電源スイッチはペン上部のメタリックなボタンです。
こちらのボタンを長押しするか、ノートに書き始めることで自動的に電源がONになります。

電源をOFFにする際も同様にボタンを長押しするか、
一定時間使用しなければ電源が自動でOFFになります。

ペン上部、電源ボタンの裏側にあるLEDライトは、
様々なカラーで点灯し、それぞれに意味があります。


LEDライトのカラー

※その他のカラーは付属のクイックガイドをご参照ください。


ペン+の替芯はスマートライティングセットに一本付属しています。
ペン先から芯を指でひっぱることで、
簡単に取り外し、付け替えることができます。

※芯はゼブラ4C-0.7芯を採用していますが、
ペン先のサイズ、インクの色が変わってもご使用が可能です。


モレスキン スマートライティングセット img5



モレスキン スマートライティングセット img6




モレスキン スマートライティングセット img11 モレスキン スマートライティングセット img12 モレスキン スマートライティングセット img13


モレスキン スマートライティングセット img14 モレスキン スマートライティングセット img15 モレスキン スマートライティングセット img10


モレスキン スマートライティングセット img16 モレスキン スマートライティングセット img17 モレスキン スマートライティングセット img18



モレスキン スマートライティングセット bg1



最近まで、ガラケーにこだわって使用していたが、
どうも充電が出来なくなって、
ショップでバッテリーを交換しようと、
みてもらったら、充電機能がもうダメになってた。

8年近く使うと、ダメになるのね。

そこで、仕方なくiPhone7を購入。


このセット。

使えそう・・・・・・・



描いた内容をさっと消したい時にも消しゴムツールがないので、
いったん「編集モード」を呼び出してから、
タブレットの画面で消したい箇所を指定して消さなければならないのが面倒だ。
スマートペンから直接操作できる消しゴム機能が欲しい。





>【あす楽対応品 送料無料】モレスキン スマートライティングセット 851152

価格:28,188円
(2017/2/16 16:51時点)
感想(0件)







でも、なかなかの金額よね。
好きな万年筆で書く方が良いかな?

書いたものが、すぐにデジタル化というのは、
さすがに凄いけどね。


会議室で大ウケしそうなアイテム。
商談に持って行っても、一役かってくれそうではある。









いつもありがとうございます。
あなたのクリックが、更新のはげみになります。





  1. 2017/03/06(月) 00:00:00|
  2. 手帳(MOLESKINE)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
前のページ 次のページ

プロフィール

銀狐

Author:銀狐
雲の近くで紙と筆。本と工藝。
旅・食・美・創・観に魅せられ
鳥・虫・石・艸・風と交わり 閑暇を纏う。

強烈な文具好き。
LAMYとrotringの熱烈な信者であり、
montblancに憧れ、pelikanを愛し、
moleskineを人生のパートナーに迎え、
RHODIAを愛人にして、
Rollbahnと浮き名を流す。

burlingtonにトラベラーズノートと
ファーバーカステルを詰め、
PerkerとfILOFAXを広げた所が書斎。

カテゴリー

ブログ内検索

フリーエリア

                                                                                                                                  ----- キリトリ ------                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        ----- キリトリ ------

最近の記事

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


無料カウンター