銀狐の文具稲荷

-文房具を覆う表現を剥がし愛情を込めて丁寧に貼り付けた簡素な艸菴- (Since 2007-01-04)

余禄95 日本文具の逆襲

2012年6月21日(木)14時33分配信のプレジデントに以下の記事があった。


ペーパーレス時代になぜ三菱鉛筆は最高益か
地道な研究開発からヒットを連発。「日本製」が海外でウケる。


筆記具メーカーの三菱鉛筆が好調だ。
2011年12月期の連結経常利益は65億円で、2期連続で最高益を更新。
この10年間、売上高は横ばいだが、ジワジワと収益を伸ばし続けている。
経費削減とIT化で「ペーパーレス化」が進んでいる。
そんな逆風下で、なぜ収益が伸びているのか。


三菱鉛筆で財務を担当している永澤宣之取締役はいう。
「01年のITバブルの崩壊以降、当社は大きく方向転換を進めてきました。
ひとつは筆記具メーカーとしての原点回帰。もうひとつが、海外調達比率の上昇です。
それらが今、結果として実っているのだと思います」

三菱鉛筆は今年で創業125年。鉛筆の製造から事業を興し、
ボールペン、シャープペンなど筆記具全般に進出。20年ほど前に多角化を始め、
CDやインクリボンなども扱うようになった。背景には「筆記具の市場が伸び続けることはない」
という危機感があった。
「文具店に卸す様々な商品を扱うようになったのですが、多くは自社製造ではなく、
仕入れ品です。特徴のある商品ではありませんから、利益率は高くなかった。
そこで『これからは売り上げではなく、利益を重視しよう』と大きく舵をきったんです」
(永澤取締役)


筆記具メーカーとして自社製造をしている分野以外からは、原則として撤退。
筆記具が売り上げに占める割合は、6割近くまで下がっていたが、現在では8割ほどにまで高まっている。

三菱鉛筆では筆記具の製造に関して、プラスチックの成型、ペン先の加工、
インクの配合などまで、すべて自社で行っている。
メーカーの原点に戻ることで、競争力を取り戻した。
海外調達比率を増やしたことも、円高の環境下でのコストダウンに大きく寄与した。
それまで海外工場は中国・深センだけだったが、あらたにベトナムと上海に100%出資の拠点を増設。
主に筆記具の部材を製造している。


そうした下地があるところに、次々とヒット商品が出た。
なめらかな書き心地の油性ボールペン「ジェットストリーム」、
芯先が自動回転するシャープペン「クルトガ」、
ホルダーとリフィルを自在に組み合わせられる「スタイルフィット」。

いずれも高い技術が背景にあるため、類似商品は出づらい。
三菱鉛筆は売上高の約6%を研究開発費にあてており、従業員約2800人のうち約200人は開発者だ。
「研究開発費だけは削らなかった」(永澤取締役)という判断が実を結んだ。


海外展開も好調だ。現在、海外売上比率は45%。筆記具の世界最大手は仏ビック社で、
売上高は約1800億円と三菱鉛筆の3倍以上になるが、ライターやひげ剃りの売り上げが大きく、
筆記具は全体の3割にすぎない。三菱鉛筆は世界市場で戦うグローバルプレーヤーなのだ。


永澤取締役はいう。
「日本のメーカーは100円から500円くらいの中価格帯に強い。
仏ビックや中国のメーカーは箱入りで売られる廉価品には強いのですが、新商品は開発しません。
新機能をアピールして、一本売りができているのは日本製なんです」


08年のリーマンショックでは、筆記具メーカーを「経費削減」というショックが襲った。
この結果、「備品」としての大量購入は減った。だが筆記具なしに仕事はできない。
「会社の備品なら文句はいわないが、自腹で買うならよいものを選びたい」という嗜好から、
店頭での小売販売は踏みとどまった。機能開発を続けた成果だろう。

広報担当の飯野尋子氏は「あくまで個人的な印象ですが」と前置きしつつ、こう分析してくれた。
「スマートフォンを使うような人ほど、ノートや手帳へのこだわりが強いように感じます。
1本1000円のジェットストリームを購入されるのもこの層です。
デジタルを使うほど、アナログのよさが見えてくるのかもしれません」




先の「ライフログ」の所でも述べたが、

文具業界は成熟産業であり、シャープペンはまさに「成熟商品」である。
この種の商品の場合、書き味など、本質的な機能はすでに開発し尽くされており、
いきおい戦略の重点は外装面・補助機能面に置かれやすい。

事実、この分野の成功事例であるパイロットの「ドクターグリップ」や
三菱鉛筆のユニ「アルファゲル」などは、グリップの握りやすさを改善し、
それをアピールポイントにした商品だった。

無論、これらは消費者のニーズをつかむ優れた改良商品だ。
だが単なる外装の変更といった類の「周辺戦略」は通常、すぐに壁に突き当たってしまう。

そんな熟成が進んで分野であえて危険を冒して「新しい機能」を
商品の付加価値にした「クルトガ」。

特に社内の他部署を本気にさせた「クルトガ」の開発は、
社員、開発者の士気を大きく向上させた起爆剤になったことは間違いない。


「紙とペンを使う者は人にあらず」と、
ソフトバンクの社長が言っていたが・・・・
アナログを知らずにデジタルを語れるのか?

ま、他人の言うことだ放っておけば良い。

そのうち、MOLESKINEの偉大さに気がつくだろう。



私はペンと紙の間にある哲学。
紙をペンが滑る感触は本当に大事にしたいと感じる。
特に、ぬらぬらしたインクフローの万年筆でペン先を滑らせるときの、
ハイドロプレーニング状態となった書き心地は官能的だ。

直接手で触れるものだからこそ大脳に深く記憶される。
デジタルを知りアナログに回帰する。

三菱に限らず、日本のメーカは良いものを造って欲しいと
文具ファンとして願わずには居られない。







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銀狐

Author:銀狐
雲の近くで紙と筆。本と工藝。
旅・食・美・創・観に魅せられ
鳥・虫・石・艸・風と交わり 閑暇を纏う。

強烈な文具好き。
LAMYとrotringの熱烈な信者であり、
montblancに憧れ、pelikanを愛し、
moleskineを人生のパートナーに迎え、
RHODIAを愛人にして、
Rollbahnと浮き名を流す。

burlingtonにトラベラーズノートと
ファーバーカステルを詰め、
PerkerとfILOFAXを広げた所が書斎。

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