銀狐の文具稲荷

-文房具を覆う表現を剥がし愛情を込めて丁寧に貼り付けた簡素な艸菴- (Since 2007-01-04)

余禄93 日本刀と万年筆

日本刀と言えば、武士の魂と言われ、日本古来の神秘的な武器である。


アニメ「ルパン三世」に登場する、石川五右衛門の暫鉄剣。
時代劇ドラマ「子連れ狼」拝一刀が愛刀、胴太貫。
などが思い浮かぶ。

「胴太貫(どうたぬき)」とは、「重ねも厚く身幅も広くもっぱら実戦用の戦場刀。
骨を斬っても刃こぼれひとつしない。」と言われる、「子連れ狼」こと拝一刀の愛刀。
相手の刀を斬る等言うに及ばず、甲冑ごと斬り殺す、挙げ句の果てに何体もの石仏さえも一刀両断にしてしまう、
頑健無比な事この上なし。

という紹介まである。



著名な刀では、日本国国宝。

①日本刀の横綱「大包平」
②徳川家代々に祟った「妖刀」伝説の「村正」
③立花道雪(戸次鑑連)が雷または雷神を斬ったと伝えられる刀「雷切」
④天下人、豊臣秀吉の愛刀「一期一振」
⑤佐々木小次郎の愛刀「備前長船長光」


さらには、「天下五剣」と称される5つの名刀。

①国宝、酒呑童子の首を刎ねた刀とされる「童子切」
②国宝、刃中に三日月状の打ちのけが連なることから命名された「三日月宗近」
③国宝、「大典太」
④重要文化財、「数珠丸」
⑤御物「鬼丸国綱」などがある。


陸奥守吉行(むつのかみ よしゆき) - 坂本龍馬の愛刀
長曾彌虎徹(ながそね こてつ) - 近藤勇の愛刀
和泉守兼定(いずみのかみ かねさだ) - 土方歳三の愛刀
加賀清光(かがきよみつ) - 沖田総司の愛刀
伝天国作小烏丸(あまくに さく こがらすまる) - 平家重代の宝

これらのように持ち主と共に有名な刀もある。


実際の切れ味や見た目の芸術性の高さ。
さらには、精神文化として心までもがその一振りに被せられている。

私は虎徹が好きだ。


そんな日本の代表のような「日本刀」と、
西洋筆記具の代表「万年筆」が不思議と引きつけあう。


万年筆のペン先も、日本刀の製造過程のように、
何度も何度も折り曲げてはたたき鍛える。

ニブポイントと言われる部分においては研がれており、
どちらもまるで同じ工程で製造される。

刀鍛冶の名工。ペン先は、練達の職人の手業と経験に裏打ちされた作業。
製造過程においてもこの両者に共通点が多いことは理解できよう。


本物の日本刀の姿、刃紋の美しさは、魂を持って行かれてしまいそうになる。
ペン先の美しさも同じである。


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私自身、「菊と刀」などから受けた日本人のイメージは、
決して美しくあるものではなく、偏見も多い。当時高校生だったが、
反発を覚えながらも、外国人がよく日本人の本質を観察したものだと感心したものだ。


現在の日本人は、日本にいて、便利な交通、きれいな環境、
犯罪率の低い社会と安易な生活に満足しており、
アニメ、ゲームなどの娯楽に徹底的に蝕まれた日本の『オタク』になってしまった。

最後は日本人の持つ魂なのだろう。
少々脱線してしまったが、武士の魂(日本刀)ついでに、日本人の魂も、
この震災復興を機に入れ直して鍛冶屋のように叩いて鍛えても良いだろう。






いつかの記事で、「万年筆に魂が宿る」と表現したが、
日本刀に武士の精神文化を垣間見るのであるなら、
万年筆は書き手(作家)から振り絞られる言霊が見て取れよう。

プロの作家ではない私たち万年筆ファンに魂や、言霊というと
少々おこがましい気もしないではないが、お許しください。


ペンにインクを補充したり、ペン先を手入れするときの、
神妙ですがすがしい感覚は刀の手入れをする行為につながっているのかもしれない。


筆記具としては儚いくらいに潔く(万能を否定する意味で)。
筆記時の邪念のような無駄な力というか・・・・・余分なものを捨てる良い機会になる。

エージングで使い手の癖がゆっくりと染みていくが、
筆圧や紙とペン先との角度にはやはり神経を使い、
(149のペン先は叩きつけるように書いてもびくともしないが)
使用するインクはどんな紙とでも相性が良いわけでなく
工夫せざるを得ないことを人間に強いる道具。


誰がどんな書き方をしても書きやすい「アーミーナイフ」的な
ボールペンとは一線を画すものだと思っている。






詰まるところ「物に魂が宿る」という、日本人の考え方から来る
私自身の勝手な日本刀と万年筆の共通点の見いだし方で、
西洋人が考える万年筆というのはまた違ったものであるのかもしれない。






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日本刀と言えば、武士の魂と言われ、日本古来の神秘的な武器である。アニメ「ルパン三世」に登場する、石川五右衛門の暫鉄剣。時代劇ドラマ「子連れ狼」拝一刀が愛刀、胴太
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銀狐

Author:銀狐
雲の近くで紙と筆。本と工藝。
旅・食・美・創・観に魅せられ
鳥・虫・石・艸・風と交わり 閑暇を纏う。

強烈な文具好き。
LAMYとrotringの熱烈な信者であり、
montblancに憧れ、pelikanを愛し、
moleskineを人生のパートナーに迎え、
RHODIAを愛人にして、
Rollbahnと浮き名を流す。

burlingtonにトラベラーズノートと
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