銀狐の文具稲荷

-文房具を覆う表現を剥がし愛情を込めて丁寧に貼り付けた簡素な艸菴- (Since 2007-01-04)

余禄53 棟梁

コンクリートと鉄骨、スレートと合板の世の中。
木を切り削り組み合わせ昔ながらのやり方で寺や神社、
本道や拝殿を造る。

100年200年はおろか1000年後にも変わらず地上にあって
仏や神々のいますところ、造るのは「宮大工」と呼ばれる人々。

「法隆寺最後の宮大工」と言われた西岡常一さんのことはよく知られている。
その大工棟梁に小川三夫さんが弟子入りしたのは高校を卒業した春だった。
昭和22年の生まれだからいわゆる団塊の世代である。
世はあげて「高度成長」へと走る中でおよそ時代離れした道を選んだ。
そして30歳の時寺社建築会社「鵤工舎」を設立。棟梁兼舎主になった。

明らかに師の生き方(行き方?)とは大きく違う。
平成19年満60歳、これを機に手塩にかけた仕事場を若い者に譲った。
「理由は年老いたからではない」
西岡棟梁と出会い修業時代のこと、鵤工舎のしくみ、弟子を育てる秘訣、
むしろたいてい弟子から勉強させてもらったという。
「重しを外さないと下は伸びない」任せることがいかに大切なことか。
木組みはしっかりとした「継ぎ手」を作りきっちりとした「仕口(しくち)」を
刻むことによって丈夫な建物ができていく。

宮大工の仕事は時間との闘いだ。
速く造ることではなく、長い歳月に打ち勝つ物を造る。
だからこそ急ぐのは禁物。人間つくりにもつながる。

鵤工舎は120に及ぶ寺社を造ったがそれ以上に誇るべきは多くの弟子を育成したことだろう。
その弟子を抱え込むのではなくそれぞれの望むところへ送り出す。
そして30年経って当人が出て行く「次に行く」ためには、上の重たいのが居ない方が良い。

名棟梁は素材としての自分を見極めもあざやかだ。


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  1. 2008/08/11(月) 00:00:00|
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銀狐

Author:銀狐
雲の近くで紙と筆。本と工藝。
旅・食・美・創・観に魅せられ
鳥・虫・石・艸・風と交わり 閑暇を纏う。

強烈な文具好き。
LAMYとrotringの熱烈な信者であり、
montblancに憧れ、pelikanを愛し、
moleskineを人生のパートナーに迎え、
RHODIAを愛人にして、
Rollbahnと浮き名を流す。

burlingtonにトラベラーズノートと
ファーバーカステルを詰め、
PerkerとfILOFAXを広げた所が書斎。

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