(新聞コラムからの抜粋)
日光の峠道、東京都杉並区の住宅街を縫う狭い路地に、
マンハッタンの悪路・・・・・・
栃木県上三川町にある日産自動車のテストコースは1周3.2kmに
幾重もの道路状況を再現している。
加藤博義さん(50)はここで発売前の日産車を試乗しているテストドライバーだ。
ハンドルを切った時の車の動きなど「乗り味」を確かめ日産車らしい走りに仕上げていく。
スカイライン、シーマ、フーガ、フェアレディーZ。
どれも加藤さんのゴーサイン無しに市場にデビューすることはない。
テストドライバー歴32年。仕事で走った距離は地球を37周する。
速度計は見ず景色の流れを見て1km/hの狂いもなく同じ速さで走る。

タイヤが回り始めた瞬間から評価は始まる。
乗り味が優れないとどの部品に原因があるかが分かり、
「日産復活の象徴」として02年に販売されたフェアレディーZは、
加藤さんの指摘で130ヶ所が変更されたらしい。
「GT-R」等世界に通用するスポーツカーを開発するには、
世界一過酷なテストコースでの試乗が欠かせない。
ドイツ西部ニュルブルクリンク(通称ニュル)
森の中を駆け抜ける全長20.832kmのサーキットは
どこまで曲がっているか見えないカーブや急なアップダウンの連続。
平均時速250km。下り坂でアクセルを全開に踏めば250kmを超え、
そのままS字カーブに突っ込んでいく。
一瞬のミスが死につながる。
そんな極限状態でも常に車と対話している。
「サスペンションの具合はどうかな?」
「こんな音がするのはおかしい」
走るので精一杯では「乗り味の評価」はできない。
ニュルでの試乗は通算2000周を超えた。しかし、
最初の1周までの道のりは長かったらしい。
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- 2008/06/23(月) 00:00:00|
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