二人のエステティシャンの前でバスローブを脱ぎ
中央のベッドで仰向けになる。
一人は下半身にバスタオルを掛けてくれた。
オイルを垂らして全身をほぐしていく。
柔らかい筋肉には女性の指が刺さるように入り込む。
ネイルと髭を剃ってもらう。
女性の勧めで少しだけ髪をカットした。
入店してから2時間半。
ジーンズにポロシャツを着て受付に姿を現す。
クレジットカードを差し出し、
「ありがとう、またお願いするね」
「ぜひお越しください」
クレジットカードと利用明細。
さらに会員証を両手で返しながら笑顔で答える店員。
白山が店を出ると、
「白山様・・・・来た時と帰る時。全く雰囲気が変わるわね」
「それも月1回ルンペンみたいになって現れて」
「でしょう?何をしている人かしら?」
M3が自宅駐車場に停められた時には日は落ちていた。
腕時計で時間を確認した白山は、
自宅に入ってパーティー用の服を選ぶ。
パーティーといっても、所詮企業の合コンのようなもの。
淡く華やかなスーツに濃い緑のネクタイ。
そしてエメラルドのタイピンとカフス。
自宅にタクシーを呼び、ネクタイ、カフスはポケットにねじ込んで乗車。
運転手に会場になっている、六本木の高級ホテルを告げた。
ホテルと道を挟んだ向かいに停車させる。
パーティーが始まる40分ほど早く到着した。
ホテル入り口が見渡せるビルの喫茶店。
窓際に陣取り、アイスコーヒーを注文。
RHODIA No.12とモンブランNo.149の90周年記念モデルを
取り出して、双方企業の来場者をチェックする。

一番乗りは、幹事になっている
谷口水男と、カスタムの女性社員だった。
「確か彼女は経理だったかな?」
プロフィット男性職員が数人現れた。
企画開発の連中だ。
タクシーが横付けされて女性職員が3名ほど。
営業部門の職員。
総務課の男性職員も来た。
真っ白なリムジンが止まる。
「・・・・?」
総務課の名取英子と大下悦子だ。
名取はピンクのドレスにケリーバッグをぶら下げている。
巨大なバストを強調するように、胸元が開いている
大下は真っ白で清楚なドレスだ。
確か・・・・名取は・・・・・
ラミー電気の娘だったっけ?
大下の家も・・・・シェーファー重機を経営していた?
「ダメだプロフィットの社員がよくわからない」
「あまり顔を見せていないからなぁ」
もう、パーティーも始まりそうだし、
そろそろ向かうか。
席を立った時、徒歩で現れた女性に驚く。
「鵜飼玲子・・・・・」

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- 2017/02/27(月) 00:00:00|
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